亜鉛 15の効果・効能と副作用Zinc


亜鉛は必須ミネラルのひとつです。
穀物・ナッツ・魚介類・肉や乳製品などいろいろな食べ物(野菜以外)から補充できます。
とくにレバー(6mg/100g)や牡蠣(13mg/100g)
といった食品に豊富に含まれています。

国によって基準はちがいますが、摂取量の目安は大人で一日8-11mg。
取りすぎになるのは30-40mgとなっています。

サプリメントとしては、クエン酸亜鉛、硫酸亜鉛、グルコン酸亜鉛、オロチン酸亜鉛、酸化亜鉛、ピコリン酸亜鉛、酢酸亜鉛などさまざまな化合物のかたちで利用されていて、それぞれ含有量や吸収が異なります(吸収率の参考論文)。

米国の人口の約10%は推奨量の半分以下の摂取量であり、第3世界諸国の人口の50%以上が亜鉛欠乏症と言われています(参考)。また、Wikipediaによると日本人は潜在的に亜鉛が不足気味であるとも言われています。

亜鉛が欠乏すると味覚障害や成長障害などさまざまな症状を起こすことがあります。
これから紹介する亜鉛サプリの効果は、亜鉛不足からくるさまざまな欠乏症への効能、と言いかえることもできるのかもしれません。

亜鉛の効果副作用を世界の大学や研究機関の論文からエビデンスベースで紹介します。

研究論文紹介・目次Contents

1)亜鉛は免疫力を高める。
2)亜鉛は炎症を抑える。
3)亜鉛は抗酸化作用を持つ。
4)亜鉛はがんを予防する。
5)亜鉛は疲労を軽減する。
6)亜鉛は糖尿病を防ぐ。
7)亜鉛は脳に良い。
8)亜鉛は目に良い。
9)亜鉛は耳に良い。
10)亜鉛は心臓に良い。
11)亜鉛は胃腸を助ける。
12)亜鉛は肌に良い。
13)亜鉛は髪に良い。
14)亜鉛は生殖機能を改善する。
15)亜鉛は体臭を抑える。
亜鉛の副作用

亜鉛 効果
 

1)亜鉛は免疫力を高める。エビデンス高

亜鉛が欠乏している人は、さまざまな病原体に感染しやすくなる。(参照論文 1)

亜鉛欠乏症の患者、例えば感染症にかかりやすい高齢者への亜鉛補給は、免疫システムを回復する有益な効果を有する。しかし逆に高用量だと免疫系に悪影響を与えるので、亜鉛の投与は患者の実際の要件に合わせて調整しなければならない。(参照論文 2)

亜鉛は免疫系のさまざまな側面に影響を与える。亜鉛は、自然免疫、好中球およびNK細胞を媒介する細胞の正常な発達および機能にとって重要である。マクロファージの食作用、細胞内殺傷およびサイトカイン産生はすべて亜鉛欠乏の影響を受ける。亜鉛欠乏は、T細胞およびB細胞の増殖および機能に悪影響を与える。(参照論文 3)


 

2)亜鉛は炎症を抑える

食事とサプリメントによって亜鉛の状態を改善すると、炎症性疾患のリスクが低下する可能性がある。亜鉛不足は、慢性疾患における炎症の増加および新たな炎症過程の誘発と関連している。(参照論文 4)

喘息患者への亜鉛の補給は、アレルギーによる気道炎症と気道過敏性、および血清IgEレベルを変化させ、潜在的治療法としての可能性がある。(参照論文 5)

ラットにおいて、硫酸亜鉛溶液のかん腸は大腸炎における炎症を減少させる。(参照論文 6)

亜鉛補給は、免疫系に悪影響を及ぼすことなく、アレルギー治療のための有望なツールとなりうる。(参照論文 7)

亜鉛は、NF-kBを阻害することにより、多くの炎症性サイトカインの産生を抑える。(参照論文 8)

服用ではなく怪我に対する傷薬の成分(酸化亜鉛)として、亜鉛は局所的な亜鉛欠損を補正するだけでなく、再上皮化、炎症の減少、および細菌増殖を低下させ、創傷治癒を早める。(参照論文 9)


炎症を抑えるサプリ一覧

3)亜鉛は抗酸化作用を持つ

亜鉛は、虚血後の組織損傷など、酸化損傷がある細胞の傷害を軽減することが可能である。(参照論文 10)

ラットにおいて、亜鉛投与は放射線による水晶体の酸化損傷を軽減する。(参照論文 11)

亜鉛は、精子無力症の男性の精子において、抗酸化物質(スーパーオキシドラジカルスカベンジャー)を正常レベルに回復させた。(参照論文 12)

慢性的に亜鉛が欠乏しているエピオピア女性において、亜鉛摂取は酸化ストレスによるDNA損傷を減少させる。(参照論文 13)


抗酸化作用を持つサプリ一覧

4)亜鉛はがんを予防する

19の研究が含まれているメタアナリシスにおいて、亜鉛不足は消化器系の癌、食道癌リスクおよび胃癌リスク、とくに結腸直腸癌のリスクを高める。(参照論文 14)


がんを予防するサプリ一覧

5)亜鉛は疲労を軽減する

慢性疲労症候群(CFS)患者の血中亜鉛濃度を健常ボランティアに対して調べたところ、CFS患者の血中亜鉛は正常対照より有意に低く、血清亜鉛が少ないほど慢性疲労の重症度が高かった。(参照論文 15)

激しい運動が甲状腺ホルモンやテストステロンレベルを著しく枯渇させ、疲労の原因となることがあるが、亜鉛補給はこの損失を防ぐことができる。疲れのほか運動能力にも利益をもたらす可能性がある。(参照論文 16)


疲労を軽減するサプリ一覧

6)亜鉛は糖尿病を防ぐ

亜鉛は、インスリンのシグナル伝達を助け、サイトカインの産生を減少させることによってインスリン様作用を発揮する。亜鉛補給によって、1型および2型糖尿病における血糖コントロールが改善される。(参照論文 17)

2型糖尿病患者の亜鉛欠乏率が高く、総亜鉛摂取量が多さは女性の2型糖尿病リスクの低下と関連している。(参照論文 18)


糖尿病を防ぐサプリ一覧

7)亜鉛は脳に良い

神経がどのようにして相互に情報を伝達し、記憶が形成され、どのように学習するかについて、亜鉛は重要な役割をもっている。(参照論文 19)

高齢のアルツハイマー病患者において6か月間の亜鉛補充を行ったところ、脳に有毒な遊離銅濃度を低下させ、対照群と比較して認知低下を有意に減少させた。(参照論文 20)

アルツハイマー病のマウスモデルにおいて、亜鉛補給は、海馬における認知障害の進行(β-アミロイドおよびタウタンパク質負荷)およびミトコンドリア機能および脳由来神経栄養因子(BDNF)レベルを改善する。(参照論文 21)

二重盲検プラセボ対照研究において、補助薬としての亜鉛が注意欠陥多動障害(ADHD)の子供の治療に有益である可能性を示した。(参照論文 22)

脳細胞は亜鉛によっても調節されるが、自閉症児は亜鉛欠乏していることが多い。自閉症で起こる遺伝子変異に起因する脳の細胞変化は、亜鉛の補充によって逆転する可能性がある。(参照論文 23)

亜鉛不足とうつ病および不安障害などの神経心理学的障害との間には関連性があり、亜鉛の投与は、うつ病患者における抗うつ薬の有効性を改善し、治療抵抗性の患者において特に重要な役割を果たす可能性がある。(参照論文 24)

難治性てんかん患者の血清亜鉛レベルは有意に低かった。血清亜鉛濃度は、てんかんおよび難治性てんかんの病因において役割を果たす可能性がある。(参照論文 25)


脳に良いサプリ一覧

8)亜鉛は目に良い。

亜鉛は網膜の細胞障害を防ぎ、加齢性黄斑変性(AMD)の進展と視力喪失を遅らせるのに役立つ可能性がある。(参照論文 26)


 

9)亜鉛は耳に良い。

マウスにおいて、亜鉛の補給による聴覚変化が可逆的であるかどうかを検証する試験で、亜鉛が不足するほど聴力(聴覚脳幹反応)が下がり、亜鉛を補充することで正常に戻った。(参照論文 27)

耳鳴り患者は血中亜鉛濃度が低く(31%)、亜鉛を投与された耳鳴り患者の46.4%において臨床的に良好な進行となり、82%において主観的に耳鳴りの重篤度が減少した。(参照論文 28)


 

10)亜鉛は心臓に良い。

ラットおよびマウスにおいて、亜鉛は脳卒中に関連する損傷から心臓を保護した。亜鉛は正常な細胞構造および機能に必要であり、心臓血管疾患を含む様々な健康問題に関連する。外因性および内因性にかかわらず亜鉛は、虚血/再灌流傷害に対する心臓保護において重要な役割を果たす可能性がある。(参照論文 29)


 

11)亜鉛は胃腸を助ける

10日間の亜鉛錠剤の投与が下痢を治療するのに有効であり、また将来の発作の予防に役立つ。(参照論文 30)

亜鉛は、さまざまな胃腸疾患(炎症性腸疾患、癌、アルコール性疾患、下痢、潰瘍性大腸炎など)における動物モデルおよびヒトの腸内層に対する保護効果を有する。(参照論文 31)


胃腸を助けるサプリ一覧

12)亜鉛は肌に良い

亜鉛は、様々な皮膚状態(座瘡、酒さ、湿疹、乾癬、ふけなど)への有効性が示されている。(参照論文 32)

局所的な亜鉛イオンは、皮膚に重要かつ有用な抗酸化防御を提供する可能性がある。(参照論文 33)

0.1%銅-マロン酸亜鉛含有クリームは、ヒト皮膚におけるエラスチン合成を増加させる傾向があり、弾力性繊維の再生は、光老化肌の女性患者におけるしわの消失に寄与する可能性がある。(参照論文 34)


肌に良いサプリ一覧

13)亜鉛は髪に良い。

病的肥満のための手術後に起きる亜鉛欠乏症は、男性において脱毛症、下痢、感情障害、体重減少、相互感染、水疱性膿疱性皮膚炎および性腺機能低下症を引き起こす可能性がある。垂直胃形成術後の患者の約3分の1で有意な脱毛が生じ、亜鉛補給によって逆転した。(参照論文 35)

多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)の患者における亜鉛補給が及ぼす影響を評価するために実施した試験において、ホルモンプロファイル、炎症性サイトカイン、および酸化ストレスなどのバイオマーカーに対する亜鉛補給の有意な変化を観察しなかった。しかし、PCOS女性の間で亜鉛を8週間使用することで、脱毛症多毛症および血漿MDAレベルに有益な効果があった。(参照論文 36)

亜鉛補給は、血清亜鉛濃度が低く、伝統的な治療法が失敗した脱毛症患者のための補助療法になる可能性があることを示唆している。(参照論文 37)


 

14)亜鉛は生殖機能を改善する。

男性不妊症の患者において、硫酸亜鉛と葉酸の併用後に全正常精子数が増加した。これらの栄養素は、精子の発達に様々な機能を有している可能性がある。(参照論文 38)

亜鉛補給は、男性不妊症および女性の妊娠中の合併症の軽減に有益である。(参照論文 39)

メフェナム酸と組み合わせた亜鉛サプリメントの使用は、メフェナム酸単独と比較して、原発性月経困難症の低減において優れていた。(参照論文 40)


 

15)亜鉛は体臭を抑える。

亜鉛の服用はワキガの臭いを抑える。(参照論文 41)

局所的15%硫酸亜鉛溶液は足の臭気のための有効な治療法である。(参照論文 42)


 

注意亜鉛の副作用

亜鉛の過剰症または急性亜鉛中毒として、悪心、嘔吐(225mg-450mg)、下痢、頭痛、胃腸障害(50mg-150mg)、胃痙攣、食欲不振が報告されている。(参照論文 43)

大規模な米国民健康栄養調査のロジスティック回帰分析において、体内の亜鉛濃度が高いほど腎臓結石病のリスクが高いことが示唆されている。亜鉛摂取と腎結石形成との因果関係を明らかにするには、今後の前向き研究が必要である。(参照論文 44)

亜鉛は銅の吸収を阻害する(過剰摂取で銅欠乏症の可能性)。(参照論文 45)

出典 References
参照論文1 : Zinc and immune function: the biological basis of altered resistance to infection. (1998年)
参照論文2 : Zinc-Altered Immune function (2003年)
参照論文3 : Zinc in Human Health: Effect of Zinc on Immune Cells (2008年)
参照論文4 : Zinc and Inflammation - Age-Related Zinc Deficiency May Contribute to Chronic Disease Risk (2013年)
参照論文5 : Zinc supplementation alters airway inflammation and airway hyperresponsiveness to a common allergen. (2011年)
参照論文6 : Zinc sulphate solution enema decreases inflammation in experimental colitis in rats. (1999年)
参照論文7 : Zinc enhances the number of regulatory T cells in allergen-stimulated cells from atopic subjects. (2017年)
参照論文8 : Zinc-suppressed inflammatory cytokines by induction of A20-mediated inhibition of nuclear factor-κB. (2011年)
参照論文9 : Studies on zinc in wound healing. (1990年)
参照論文10 : The antioxidant properties of zinc. (2000年)
参照論文11 : Zinc administration modulates radiation-induced oxidative injury in lens of rat (2012年)
参照論文12 : Oral Zinc Supplementation Restores Superoxide Radical Scavengers to Normal Levels in Spermatozoa of Iraqi Asthenospermic Patients. (2015年)
参照論文13 : Zinc supplementation reduced DNA breaks in Ethiopian women (2015年)
参照論文14 : Association between zinc intake and risk of digestive tract cancers: a systematic review and meta-analysis. (2014年)
参照論文15 : Lower serum zinc in Chronic Fatigue Syndrome (CFS): relationships to immune dysfunctions and relevance for the oxidative stress status in CFS. (2006年)
参照論文16 : The effect of exhaustion exercise on thyroid hormones and testosterone levels of elite athletes receiving oral zinc. (2006年)
参照論文17 : Zinc and diabetes--clinical links and molecular mechanisms. (2009年)
参照論文18 : Is dietary zinc protective for type 2 diabetes? Results from the Australian longitudinal study on women's health. (2013年)
参照論文19 : Vesicular Zinc Promotes Presynaptic and Inhibits Postsynaptic Long-Term Potentiation of Mossy Fiber-CA3 Synapse (2011年)
参照論文20 : Alzheimer’s disease causation by copper toxicity and treatment with zinc (2014年)
参照論文21 : Dietary zinc supplementation of 3xTg-AD mice increases BDNF levels and prevents cognitive deficits as well as mitochondrial dysfunction (2010年)
参照論文22 : Zinc sulfate as an adjunct to methylphenidate for the treatment of attention deficit hyperactivity disorder in children: a double blind and randomized trial [ISRCTN64132371]. (2004年)
参照論文23 : Zinc found to reverse brain cell changes in autism (2016年)
参照論文24 : Role of zinc in the development and treatment of mood disorders. (2010年)
参照論文25 : Comparison of Serum Zinc and Copper levels in Children and adolescents with Intractable and Controlled Epilepsy. (2014年)
参照論文26 : A randomized, placebo-controlled, clinical trial of high-dose supplementation with vitamins C and E, beta carotene, and zinc for age-related macular degeneration and vision loss: AREDS report no. 8. (2001年)
参照論文27 : Effects of a zinc-deficient diet on hearing in CBA mice. (2012年)
参照論文28 : The role of zinc in the treatment of tinnitus. (2003年)
参照論文29 : Zinc and myocardial ischemia/reperfusion injury. (2013年)
参照論文30 : Impact Monitoring of the National Scale Up of Zinc Treatment for Childhood Diarrhea in Bangladesh: Repeat Ecologic Surveys (2009年)
参照論文31 : Zinc and gastrointestinal disease (2014年)
参照論文32 : Zinc Therapy in Dermatology: A Review (2014年)
参照論文33 : Evidence supporting zinc as an important antioxidant for skin. (2002年)
参照論文34 : Extracellular matrix in cutaneous ageing: the effects of 0.1% copper-zinc malonate-containing cream on elastin biosynthesis. (2009年)
参照論文35 : Reversal of Hair Loss following Vertical Gastroplasty when Treated with Zinc Sulphate. (1996年)
参照論文36 : Effects of Zinc Supplementation on Endocrine Outcomes in Women with Polycystic Ovary Syndrome: a Randomized, Double-Blind, Placebo-Controlled Trial. (2016年)
参照論文37 : The Therapeutic Effect and the Changed Serum Zinc Level after Zinc Supplementation in Alopecia Areata Patients Who Had a Low Serum Zinc Level (2009年)
参照論文38 : Effects of folic acid and zinc sulfate on male factor subfertility: a double-blind, randomized, placebo-controlled trial. (2002年)
参照論文39 : The role of zinc in reproduction. Hormonal mechanisms. (1992年)
参照論文40 : The Efficacy of Zinc Administration in the Treatment of Primary Dysmenorrhea (2016年)
参照論文41 : Zinc Sulfate and Axillary Perspiration Odor (1977年)
参照論文42 : Topical 15% Zinc Sulfate Solution Is an Effective Therapy for Feet Odor (2013年)
参照論文43 : Dietary Reference Intakes for Vitamin A, Vitamin K, Arsenic, Boron, Chromium, Copper, Iodine, Iron, Manganese, Molybdenum, Nickel, Silicon, Vanadium, and Zinc. (2001年)
参照論文44 : Dietary zinc intake and kidney stone formation: evaluation of NHANES III. (2012年)
参照論文45 : Inhibition of copper absorption by zinc. Effect of histidine. (1991年)

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