カテキン 8つの効果・効能と副作用 Egcg


カテキンは茶に含まれる渋みの成分で、カテキン類のなかでも特に緑茶に含まれるEGCG(没食子酸エピガロカテキン)の研究が盛んです。

カテキンの効果副作用を世界の大学や研究機関の論文からエビデンスベースで紹介します。

研究論文紹介・目次

1)カテキンは肥満を改善する。
2)カテキンは老化を防ぐ。
3)カテキンはがんを予防する。
4)カテキンは脳に良い。
5)カテキンは血管と血圧を改善する。
6)カテキンは骨を強くする。
7)カテキンは肌に良い。
8)カテキンは髪に良い。
カテキンの副作用

カテキン 効果

 

1)カテキンは肥満を改善する

エビデンス高

EGCG-カフェイン混合物の摂取(EGCG用量 90mg, 200mg, 300または400mg)で、24時間のエネルギー消費がプラセボと比較して有意に増加した。しかし、その増加効果はどの用量のEGCGでも同等であった。(参照論文 1)

過体重および肥満の男女において、カフェイン39mgと緑茶カテキン625mgを含む飲料を12週間摂取して1週間に3回以上の180分程度の運動を行う試験で、カフェインのみと比較して、運動による腹部脂肪(総腹部脂肪、皮下腹部脂肪)の減少が促進され、トリグリセリド値の改善が認められた。(参照論文 2)

緑茶カテキンとカフェインと食物繊維を含む飲料は、食欲を抑え、エネルギー消費を少なくする。(参照論文 3)

EGCGによって、カテコール分解酵素COMTが阻害されるため、体内のノルアドレナリン(ノルエピネフリン)の量が増加し、そのホルモンによって脂肪細胞が分解されエネルギーが放出される。(参照論文 4)

マウスにおいて、緑茶抽出物および茶カテキンの主成分EGCGは持久力を向上させ、疲労までの運動量(水泳時間)を8%から24%延長させた。(参照論文 5)

緑茶抽出物は炭水化物の消費を増やし、吸収を減らす(参照論文 6)

6カ月間にわたるカフェイン除去緑茶の摂取は、体重変化-1.2kg(緑茶)対+0.2kg(プラセボ)という結果となり、有意ではないが体重減少に関連している。また、HDLおよびグルコース恒常性の改善と関連している。(参照論文 7)


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2)カテキンは老化を防ぐ

ラットにおいて、EGCG(およびケルセチン等)はその抗酸化作用により心筋細胞のテロメア短縮を抑制した。(参照論文 8)


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3)カテキンはがんを予防する

茶ポリフェノールは、Bcl-2(抗アポトーシスタンパク質)を阻害することにより、がんを予防する。(参照論文 9)

緑茶および紅茶ポリフェノールは、DNA、RNA、およびタンパク質レベルで癌細胞に影響を及ぼし、がんを予防する。(参照論文 10)


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4)カテキンは脳に良い

EGCGは、脳活動のアルファ、ベータおよびシータ波を有意に増やし、プラセボと比較して、落ち着き(自己評価)を高め、ストレス(自己評価)を減少させた。(参照論文 11)

緑茶の投与は脳内報酬系の正常化により、うつ病を予防し、うつ症状を逆転させる可能性がある。(参照論文 12)

緑茶ポリフェノールは、脳老化プロセスを変化させ、進行性神経変性疾患、例えばパーキンソン病およびアルツハイマー病の予防するための神経保護剤として働く。(参照論文 13)

ヒトの疫学的データおよび動物データは、茶飲料が認知症、アルツハイマー病およびパーキンソン病の発生率を減少させる可能性があることを示唆している。特に、その主なカテキンポリフェノール成分であるエピガロカテキン-3-ガレート(EGCG)は、神経障害の細胞および動物モデルの広い範囲で神経保護作用を発揮する。(参照論文 14)


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5)カテキンは血管と血圧を改善する。

緑茶を5カップ以上(500mL以上)を摂取する人は、循環器疾患で死亡するリスクが31%低下する。(参照論文 15)

カテキンを多く含む飲料を摂取すると、収縮期血圧、およびLDLコレステロールを下げ、肥満および心血管疾患の危険因子が改善されることを示唆している。(参照論文 16)


 

6)カテキンは骨を強くする

EGCGは、骨芽細胞の成長を促進し、幹細胞ベースで骨粗鬆症を予防するのに役立つ。(参照論文 17)


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7)カテキンは肌に良い

老化促進マウスにおいて、茶カテキンのEGCGは、その抗酸化作用により、しわを取りのぞき、皮膚細胞を活性化させる。(参照論文 18)


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8)カテキンは髪に良い。

EGCGは、真皮乳頭細胞の増殖を刺激し、Bcl-2抗アポトーシス作用を介して、ヒトの毛髪成長を刺激することにより育毛に良いことを示唆している。(参照論文 19)


 

注意カテキンの副作用

高濃度のカテキンは、哺乳類細胞における遺伝毒性事象を引き起こす。成人におけるポリフェノールの潜在的な治療効果にもかかわらず、妊娠中のバイオフラボノイド豊富な食餌の摂取は、MLL再編成を伴う乳児白血病のリスクを約3倍に増加させる。(参照論文 20)

EGCGの 1日800mg以上摂取のいくつかの臨床試験において肝機能障害の報告があり、肝臓に副作用を起こす可能性がある。(参照論文 21)

ラットにおいて、EGCGの高濃度の摂取は、肝細胞ミトコンドリアでの活性酸素(ROS)の発生を大幅に増やし、細胞損傷と肝細胞機能の低下をもたらした。(参照論文 22)

糖尿病ラットにおいて、EGCG(5mg/kg/日)の摂取により、高グルコースに対するベータ細胞応答を損ない、膵島細胞を悪化させた。EGCGは膵臓のインスリン分泌細胞において抗酸化物質ではなく酸化促進物質として作用する。(参照論文 23)

出典 References

参照論文1 : Effects of encapsulated green tea and Guarana extracts containing a mixture of epigallocatechin-3-gallate and caffeine on 24 h energy expenditure and fat oxidation in men. (2005年)
参照論文2 : Green tea catechin consumption enhances exercise-induced abdominal fat loss in overweight and obese adults. (2009年)
参照論文3 : Beverages containing soluble fiber, caffeine, and green tea catechins suppress hunger and lead to less energy consumption at the next meal. (2012年)
参照論文4 : Green tea extract thermogenesis-induced weight loss by epigallocatechin gallate inhibition of catechol-O-methyltransferase. (2006年)
参照論文5 : Green tea extract improves endurance capacity and increases muscle lipid oxidation in mice. (2005年)
参照論文6 : Green tea extract decreases starch digestion and absorption from a test meal in humans: a randomized, placebo-controlled crossover study. (2015年)
参照論文7 : Green tea improves metabolic biomarkers, not weight or body composition: a pilot study in overweight breast cancer survivors. (2010年)
参照論文8 : Epigallocatechin gallate, the major component of polyphenols in green tea, inhibits telomere attrition mediated cardiomyocyte apoptosis in cardiac hypertrophy. (2013年)
参照論文9 : Cancer prevention by tea polyphenols is linked to their direct inhibition of antiapoptotic Bcl-2-family proteins. (2003年)
参照論文10 : Mechanisms of cancer prevention by green and black tea polyphenols. (2006年)
参照論文11 : Acute neurocognitive effects of epigallocatechin gallate (EGCG). (2012年)
参照論文12 : Effect of green tea on reward learning in healthy individuals: a randomized, double-blind, placebo-controlled pilot study. (2013年)
参照論文13 : Neurological mechanisms of green tea polyphenols in Alzheimer's and Parkinson's diseases. (2004年)
参照論文14 : Simultaneous manipulation of multiple brain targets by green tea catechins: a potential neuroprotective strategy for Alzheimer and Parkinson diseases. (2008年)
参照論文15 : The Relation between Green Tea Consumption and Cardiovascular Disease as Evidenced by Epidemiological Studies (2008年)
参照論文16 : Catechin safely improved higher levels of fatness, blood pressure, and cholesterol in children. (2008年)
参照論文17 : Epigallocatechin-3-gallate (EGCG) as a pro-osteogenic agent to enhance osteogenic differentiation of mesenchymal stem cells from human bone marrow: an in vitro study. (2014年)
参照論文18 : Anti-skin-aging effect of epigallocatechin gallate by regulating epidermal growth factor receptor pathway on aging mouse model induced by d-Galactose. (2017年)
参照論文19 : Human hair growth enhancement in vitro by green tea epigallocatechin-3-gallate (EGCG). (2007年)
参照論文20 : Epigallocatechin Gallate, A Major Constituent of Green Tea, Poisons Human Type II Topoisomerases (2008年)
参照論文21 : Liver-related safety assessment of green tea extracts in humans: a systematic review of randomized controlled trials (2016年)
参照論文22 : In vitro toxicity of epigallocatechin gallate in rat liver mitochondria and hepatocytes. (2015年)
参照論文23 : Effects of (-)-epigallocatechin-3-gallate on pancreatic beta-cell damage in streptozotocin-induced diabetic rats. (2006年)

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