体の酸化を防ぐ8つのサプリを紹介 Antioxidant
動物の通常の呼吸で取り入れられた酸素の数パーセントが活性酸素となると言われています。また、紫外線なども活性酸素を発生させると言われています。活性酸素の有害な側面は酸化ストレスや体の酸化と呼ばれ、様々な疾患を引き起こすことが報告されています。
一方で活性酸素には有益な側面もあります。私たちの体の中で白血球(好中球)はわざわざ活性酸素を作って細菌を殺してくれます(参考)。
活性酸素は過剰になるとDNAに損傷を与え、老化の原因となるため、その発生を予防することが注目されています。
抗酸化物質としてよく知られているビタミンA・C・Eのほかにも多数の抗酸化サプリ成分があります。
体の酸化を防ぐ効果を持つ可能性があるサプリメント成分を、世界の大学や研究機関の論文からエビデンスベースで紹介します。
1)クルクミン
クルクミンは、フェノール基からH原子を供与するフェノール鎖切断抗酸化剤である。(参照論文 1)
実験的に水銀に暴露されたラットは、クルクミンの抗酸化作用によって無毒化される。(参照論文 2)
ダイオキシンに暴露された雄ラットの抗酸化状態、体重増加、および生殖パラメーターに対して、クルクミンには保護効果がある。(参照論文 3)
3)アスタキサンチン
アスタキサンチンは、喫煙者や肥満者の酸化ストレスを低下させる。(参照論文 6)
アスタキサンチンは、他のカロチノイドと比較して、フリーラジカルに対して最も高い抗酸化活性を示す。(参照論文 7)
4)亜鉛
亜鉛は、虚血後の組織損傷など、酸化損傷がある細胞の傷害を軽減することが可能である。(参照論文 8)
ラットにおいて、亜鉛投与は放射線による水晶体の酸化損傷を軽減する。(参照論文 9)
亜鉛は、精子無力症の男性の精子において、抗酸化物質(スーパーオキシドラジカルスカベンジャー)を正常レベルに回復させた。(参照論文 10)
慢性的に亜鉛が欠乏しているエチオピア女性において、亜鉛摂取は酸化ストレスによるDNA損傷を減少させる。(参照論文 11)
5)カルノシン
カルノシンは、糖や多価不飽和脂肪酸(PUFAs)およびタンパク質などの内因性分子の分解的酸化経路から生じる危険な反応性アルデヒドに対する抗酸化物質として作用し得る。(参照論文 12)
カルノシン処理は、D-ガラクトース処理ラットの血清および組織中の酸化ストレスおよび糖化生成物を減少させた。(参照論文 13)
6)フィセチン
フィセチンは、化学的構造的に高い抗酸化特性を持っている。(参照論文 14)
フィセチンは、リン脂質の極性頭部と疎水性尾部との間に強く結合し、フィセチン分子の抗酸化活性の反応部位として機能し、脂質過酸化を阻害する。(参照論文 15)
フィセチンは、直接の抗酸化活性を有するばかりでなく、主要な細胞内抗酸化物質であるグルタチオンの細胞内レベルも上昇させる。フィセチンはまた、酸化的ストレスの存在下でミトコンドリア機能をより良く維持させることができる。(参照論文 16)
7)PQQ
抗酸化物質として、ピロロキノリンキノン(PQQ)はビタミンC(アスコルビン酸)や一般的なポリフェノールよりもモル基準で約100倍有効である。(参照論文 17)
ピロロキノリンキノン(PQQ)は、酸化的ストレスによる脂質過酸化、タンパク質カルボニル形成、およびミトコンドリア呼吸鎖の不活性化に対してミトコンドリアを保護する有効な抗酸化物質であるが、対照的に、PQQは培養細胞への広範な細胞死を引き起こす。PQQの反応性はその環境に依存し、異なる生物学的系によって、抗酸化剤として作用したり、逆に酸化促進剤として作用したりする。(参照論文 18)
- 参照論文1 : antioxidant and anti-inflammatory properties of curcumin (2001年)
- 参照論文2 : On the antioxidant mechanism of curcumin: classical methods are needed to determine antioxidant mechanism and activity. (2010年)
- 参照論文3 : Protective effects of curcumin on antioxidant status, body weight gain, and reproductive parameters in male rats exposed to subchronic 2,3,7,8-tetrachlorodibenzo-p-dioxin (2013年)
- 参照論文4 : Lutein and Zeaxanthin Dietary Supplements Raise Macular Pigment Density and Serum Concentrations of these Carotenoids in Humans (2003年)
- 参照論文5 : Lutein and zeaxanthin in eye and skin health. (2009年)
- 参照論文6 : Astaxanthin, cell membrane nutrient with diverse clinical benefits and anti-aging potential. (2011年)
- 参照論文7 : Antioxidant activities of astaxanthin and related carotenoids. (2000年)
- 参照論文8 : The antioxidant properties of zinc. (2000年)
- 参照論文9 : Zinc administration modulates radiation-induced oxidative injury in lens of rat (2012年)
- 参照論文10 : Oral Zinc Supplementation Restores Superoxide Radical Scavengers to Normal Levels in Spermatozoa of Iraqi Asthenospermic Patients. (2015年)
- 参照論文11 : Zinc supplementation reduced DNA breaks in Ethiopian women (2015年)
- 参照論文12 : Carnosine and carnosine-related antioxidants: a review. (2005年)
- 参照論文13 : Carnosine Treatment Diminished Oxidative Stress and Glycation Products in Serum and Tissues of D-Galactose-Treated Rats. (2018年)
- 参照論文14 : Electrochemical and density functional theory study on the reactivity of fisetin and its radicals: implications on in vitro antioxidant activity. (2009年)
- 参照論文15 : Investigations on the binding and antioxidant properties of the plant flavonoid fisetin in model biomembranes. (2004年)
- 参照論文16 : Modulation of multiple pathways involved in the maintenance of neuronal function during aging by fisetin. (2009年)
- 参照論文17 : Pyrroloquinoline Quinone Modulates Mitochondrial Quantity and Function in Mice (2006年)
- 参照論文18 : Antioxidant and pro-oxidant properties of pyrroloquinoline quinone (PQQ): implications for its function in biological systems. (2003年)
- 参照論文19 : Folic acid or combination of folic acid and vitamin B(12) prevents short-term arsenic trioxide-induced systemic and mitochondrial dysfunction and DNA damage. (2009年)
- 参照論文20 : Free radical scavenging behavior of folic acid: evidence for possible antioxidant activity. (2001年)