ビタミンD 3つの効果・効能と副作用 Vitamind
ビタミンDとは脂溶性のビタミンで、サケやシラスなどの一部の魚介類に多く含まれ、また、日光(UVB)に当たることで皮膚内で生成されます。
基本的に安全ですが、人気のサプリメント成分のためか、過剰摂取による副作用の危険に関する記述もネット上で多く見かけられます。
ビタミンDの効果と副作用を世界の大学や研究機関の論文からエビデンスベースで紹介します。
2)ビタミンDは脳に良い。
ビタミンDは脳発達に直接的な影響を与える神経ステロイドとして作用する。(参照論文 2)
低レベルの血中ビタミンDは、気分の低下、認知機能の障害、および認知症と関連している。(参照論文 3)
アルツハイマー患者は、対照群と比較して血清中のビタミンD濃度が低い。(参照論文 4)
3)ビタミンDは血管と血圧を改善する。
ビタミンDとカルシウムによる短期間の補充は、カルシウム単独よりも収縮期血圧SBPの低減に効果的。(参照論文 5)
ビタミンDが不足している高齢女性において、カルシウム単独の場合と比較して、ビタミンDとカルシウムを併用した場合、収縮期血圧(13mmHg)が9%低い。(参照論文 6)
注意ビタミンDの飲み合わせ・相互作用
肉芽腫性疾患(結核など)、転移性骨疾患、サルコイドーシス、ウィリアムズ症候群(乳児性高カルシウム血症)の患者はビタミンD摂取を避けるべきである。(参照論文 7)
ビタミンDとワルファリン薬(ビタミンK阻害作用)は類似の毒性プロファイルを有し、組み合わせた場合に相乗的に毒性を発揮する。(参照論文 8)
注意ビタミンDの副作用
過度のビタミンD補給による中毒として、頭痛、、金属的味覚、腎石灰化症または血管性石灰症、膵炎、吐き気、嘔吐が報告されている。(参照論文 9)
高容量のビタミンD中毒により、高カルシウム血症(悪心、脱水および便秘など)および高カルシウム尿症(多尿および腎臓結石など)の徴候を示すことがある。ビタミンDは脂肪組織に保存されているため、ビタミンDの外因性源の除去にもかかわらず、毒性の影響は数カ月持続する可能性がある。(参照論文 10)
カルシウムと組み合わせたビタミンD3は、腎石症を有意に増加させた。ビタミンD製剤(アルファカルシドールとカルシトリオール)の両方が高カルシウム血症を有意に増加させた。(参照論文 11)
認知症の高齢男性に、1日50,000 IUのビタミンDを6カ月間投与したところ、重度の高カルシウム血症で入院した。(参照論文 12)
高用量のビタミンDは、ビタミンKの欠乏を誘発することにより毒性を発揮する。ビタミンDは、骨の健康に有害であり得る。(参照論文 13)
過度のビタミンD注射を受けた62人を対象とした研究において、腎臓が健康であるか腎臓病であるかにかかわらず、それぞれの人は腎臓の不調を経験した。(参照論文 14)
- 参照論文1 : Effectiveness and safety of vitamin D in relation to bone health. (2007年)
- 参照論文2 : Developmental vitamin D deficiency causes abnormal brain development. (2009年)
- 参照論文3 : Serum 25-Hydroxyvitamin D Concentration and Cognitive Impairment (2008年)
- 参照論文4 : Low serum vitamin D concentrations in Alzheimer's disease: a systematic review and meta-analysis. (2013年)
- 参照論文5 : Effects of a short-term vitamin D(3) and calcium supplementation on blood pressure and parathyroid hormone levels in elderly women. (2001年)
- 参照論文6 : Volume 86 Issue 4 1 April 2001 Article Contents Subjects and Methods Results Discussion < Previous Next > Effects of a Short-Term Vitamin D3 and Calcium Supplementation on Blood Pressure and Parathyroid Hormone Levels in Elderly Women (2001年)
- 参照論文7 : Recognition and Management of Vitamin D Deficiency (2009年)
- 参照論文8 : Vitamin D toxicity redefined: vitamin K and the molecular mechanism. (2007年)
- 参照論文9 : Recognition and Management of Vitamin D Deficiency (2009年)
- 参照論文10 : Vitamin D intoxication. (2012年)
- 参照論文11 : Vitamin D supplementation for prevention of mortality in adults. (2011年)
- 参照論文12 : [Vitamin D intoxication caused by drugs bought online. Sky high daily dosage for six months resulted in severe hypercalcemia]. (2015年)
- 参照論文13 : Vitamin D toxicity redefined: vitamin K and the molecular mechanism. (2007年)
- 参照論文14 : The other side of vitamin D therapy:a case series of acute kidney injury due to malpractice-related vitamin D intoxication. (2016年)