ビオチン 3つの効果・効能と副作用 Biotin
ビオチンとは、ビタミンB7とも呼ばれ、ビタミンB類に分類される栄養素です。
ビタミンB群は炭水化物をエネルギーに変えるために役立ちます。
また、ビオチンは健康な肌、髪、神経系の機能を維持する役割も持っていると言われています。
ビオチンは卵黄やレバーに多く含まれています(参考)。ただし生卵の白身に含まれるアビジンは逆にビオチンの吸収を妨げてしまいます。
欠乏するとさまざまな健康上の不調を起こすことが報告されています。
通常の食生活において欠乏することはありませんが、喫煙(参考)やアルコール(参考)や炎症性腸疾患(参考)などで欠乏症のリスクが増えます。
ビオチンの効果と副作用を世界の大学や研究機関の論文からエビデンスベースで紹介します。
1)ビオチンは糖尿病を防ぐ。
エビデンス高ビオチン補給により、2型糖尿病患者の空腹時血糖値が平均約40%低下した。(参照論文 1)
重篤な糖尿病性末梢神経障害を患う3人の糖尿病患者に高用量のビオチン与えた4-8週間以内に、臨床所見および臨床所見の著しい改善がみられた。(参照論文 2)
2)ビオチンは肌に良い。
ビオチン欠乏によって、AMPキナーゼが阻害され、IL-23/Th17(乾癬およびアトピー性皮膚炎などの皮膚疾患の主要な永続化因子)が誘導されることが、炎症応答の増加に関与している可能性がある。(参照論文 3)
複数の臨床試験で、ビオチンの摂取により爪の硬度および厚さが改善されることが示唆されている。(参照論文 4)
爪が脆い71人の患者にビオチン2.5mgの1日経口投与量で治療したところ、最終的に評価された45例のうち41例(91%)で、3ヵ月の平均治療後に、指爪がより堅くなり明確な改善を示した。(参照論文 5)
3)ビオチンは髪に良い。
ビオチンの欠乏は、脱毛症および体の口の周りに分布する特徴的な鱗状の紅斑性皮膚炎を引き起こす。(参照論文 6)
血清ビオチン濃度の調査において、脱毛に悩む女性の38%がビオチン欠乏(100ng/L)であった。また、ビオチンサプリメント投与によって改善した。(参照論文 7)
ビオチン欠乏は、低血圧、運動失調、皮膚炎、脱毛、精神遅滞、アシドーシス、酸性尿症、胎児性奇形などの原因となる。(参照論文 8)
注意ビオチンの副作用
ビオチンは安全と考えられる。多発性硬化症を治療するために毎日300ミリグラム(推奨量の1万倍)の大量投与でさえ、有害な副作用をもたらさなかった。(参照論文 9)
ビオチン大量投与で甲状腺検査結果を歪め、バセドウ病と誤診されるパターンがでてしまうことがある。(参照論文 10)
- 参照論文1 : Therapeutic Evaluation of the Effect of Biotin on Hyperglycemia in Patients with Non-Insulin Dependent Diabetes Mellitus (1993年)
- 参照論文2 : Biotin for diabetic peripheral neuropathy. (1990年)
- 参照論文3 : Biotin deficiency enhances the inflammatory response of human dendritic cells (2016年)
- 参照論文4 : Biotin for the treatment of nail disease: what is the evidence? (2018年)
- 参照論文5 : Treatment of brittle fingernails with biotin. (1989年)
- 参照論文6 : Skin manifestations of biotin deficiency. (1991年)
- 参照論文7 : Serum Biotin Levels in Women Complaining of Hair Loss (2016年)
- 参照論文8 : Biotin and biotinidase deficiency. (2008年)
- 参照論文9 : High doses of biotin in chronic progressive multiple sclerosis: a pilot study. (2015年)
- 参照論文10 : Biotin Treatment Mimicking Graves’ Disease (2016年)