体重を減らす4つのサプリを紹介 Diet
ダイエットには、カロリーの摂取と消費のバランス、運動や腸内環境を改善することが重要ですが、サプリにも肥満を改善したり、体重をへらしたりする効果が報告されているものもあります。
体重を減らす効果を持つ可能性があるサプリメント成分を、世界の大学や研究機関の論文からエビデンスベースで紹介します。
- 1)カテキン
- 2)ケルセチン
- 3)ニコチンアミドリボシド
- 4)NMN
体重を減らす成分・目次
1)カテキン
EGCG-カフェイン混合物の摂取(EGCG用量 90mg, 200mg, 300または400mg)で、24時間のエネルギー消費がプラセボと比較して有意に増加した。しかし、その増加効果はどの用量のEGCGでも同等であった。(参照論文 1)
過体重および肥満の男女において、カフェイン39mgと緑茶カテキン625mgを含む飲料を12週間摂取して1週間に3回以上の180分程度の運動を行う試験で、カフェインのみと比較して、運動による腹部脂肪(総腹部脂肪、皮下腹部脂肪)の減少が促進され、トリグリセリド値の改善が認められた。(参照論文 2)
緑茶カテキンとカフェインと食物繊維を含む飲料は、食欲を抑え、エネルギー消費を少なくする。(参照論文 3)
EGCGによって、カテコール分解酵素COMTが阻害されるため、体内のノルアドレナリン(ノルエピネフリン)の量が増加し、そのホルモンによって脂肪細胞が分解されエネルギーが放出される。(参照論文 4)
マウスにおいて、緑茶抽出物および茶カテキンの主成分EGCGは持久力を向上させ、疲労までの運動量(水泳時間)を8%から24%延長させた。(参照論文 5)
緑茶抽出物は炭水化物の消費を増やし、吸収を減らす。(参照論文 6)
6カ月間にわたるカフェイン除去緑茶の摂取は、体重変化-1.2kg(緑茶)対+0.2kg(プラセボ)という結果となり、有意ではないが体重減少に関連している。また、HDLおよびグルコース恒常性の改善と関連している。(参照論文 7)
2)ケルセチン
ケルセチンは、マウスにおいて、高脂肪食に起因する体重増加を減少させ、インスリン感受性およびグルコース不耐性を改善した。(参照論文 8)
マウスでは、ケルセチン補給により体重が40%近く減少し、脂肪蓄積および炎症関連サイトカインの発現が抑制された。(参照論文 9)
ケルセチンは、AMPKおよびMAPKシグナル伝達経路によって、脂肪細胞の形成を阻害し、存在する脂肪細胞を自己破壊させる。(参照論文 10)
高用量のケルセチン投与は、肥満ラットにおいて血糖値を低下させ、血中脂質を改善し、高血圧を低下させた。(参照論文 11)
4)NMN
高脂肪食により肥満になったマウスにおいて運動群とNMN摂取群を比較した研究で、長期間のニコチンアミドモノヌクレオチド(NMN)も運動も同様に体重の有意な変化は観察されなかったが、NMNによって筋肉と肝臓NAD+レベルが増加し、ミトコンドリアが活性化され、筋肉および肝臓における脂肪細胞、耐糖能、血漿インスリン、NADHレベルおよびクエン酸シンターゼ活性が有意に改善された。(参照論文 13)
ニコチンアミドモノヌクレオチド(NMN)投与マウスは、明るい時間および暗い時間の両方において、呼吸指数が有意に減少し、主なエネルギー源をグルコースから脂肪酸に切り替えていることが示唆された。また、エネルギー代謝の加齢に伴う障害に対して、NMNが有意な予防効果を有することを強く示唆している。NMN投与マウスは、用量依存的に加齢による体重増加を抑制する。(参照論文 14)
母体肥満による代謝機能障害のモデルマウスにおいて、ニコチンアミドモノヌクレオチド(NMN)を補給(注射)することで、肝臓中のNAD +濃度を増加させ、ミトコンドリア機能および生物発生を増加させ、サーチュイン活性を刺激し、肝臓の脂肪代謝を改善した。体重の低下に関して、18日間のNMN補充は9週間の運動と同等の効果があった。(参照論文 15)
- 参照論文1 : Effects of encapsulated green tea and Guarana extracts containing a mixture of epigallocatechin-3-gallate and caffeine on 24 h energy expenditure and fat oxidation in men. (2005年)
- 参照論文2 : Green tea catechin consumption enhances exercise-induced abdominal fat loss in overweight and obese adults. (2009年)
- 参照論文3 : Beverages containing soluble fiber, caffeine, and green tea catechins suppress hunger and lead to less energy consumption at the next meal. (2012年)
- 参照論文4 : Green tea extract thermogenesis-induced weight loss by epigallocatechin gallate inhibition of catechol-O-methyltransferase. (2006年)
- 参照論文5 : Green tea extract improves endurance capacity and increases muscle lipid oxidation in mice. (2005年)
- 参照論文6 : Green tea extract decreases starch digestion and absorption from a test meal in humans: a randomized, placebo-controlled crossover study. (2015年)
- 参照論文7 : Green tea improves metabolic biomarkers, not weight or body composition: a pilot study in overweight breast cancer survivors. (2010年)
- 参照論文8 : Quercetin reduces obesity-associated adipose tissue macrophage infiltration and inflammation in mice: a mechanism including AMPKα1/SIRT1 (2014年)
- 参照論文9 : The inhibitory effects of quercetin on obesity and obesity-induced inflammation by regulation of MAPK signaling. (2015年)
- 参照論文10 : The anti-obesity effect of quercetin is mediated by the AMPK and MAPK signaling pathways. (2008年)
- 参照論文11 : Quercetin ameliorates metabolic syndrome and improves the inflammatory status in obese Zucker rats. (2008年)
- 参照論文12 : The NAD+ precursor nicotinamide riboside enhances oxidative metabolism and protects against high-fat diet induced obesity (2012年)
- 参照論文13 : Head to Head Comparison of Short-Term Treatment with the NAD(+) Precursor Nicotinamide Mononucleotide (NMN) and 6 Weeks of Exercise in Obese Female Mice. (2016年)
- 参照論文14 : Long-term administration of nicotinamide mononucleotide mitigates age-associated physiological decline in mice (2016年)
- 参照論文15 : Nicotinamide mononucleotide (NMN) supplementation ameliorates the impact of maternal obesity in mice: comparison with exercise (2017年)