フィセチン 6つの効果・効能と副作用 Fisetin
フィセチンは、フラボノイド(ケルセチン、カテキンなど)の一種です。
食品としては、イチゴ(含有量160μg/g)やリンゴ(含有量26.9μg/g)などに含まれています。
近年セノリティクス(老化細胞除去薬、senolytics)としての作用にも注目されています。
フィセチンの効果と副作用を世界の大学や研究機関の論文からエビデンスベースで紹介します。
1)フィセチンは脳に良い。
エビデンス高フィセチンは、潜在的な神経保護効果を有する最も一般的で生物活性のあるフラボノイドの1つである。フィセチンはまた学習と記憶を増強し、ニューロンの細胞死を減少させ、酸化的ストレスを抑制する。(参照論文 1)
ラットにおいて、フィセチンはERKを活性化し、記憶力を増強する。データは天然産物のフィセチンが長期記憶を促進することができることを示しており、記憶障害を持つ患者の治療に有用な可能性がある。(参照論文 2)
フィセチンは、マウスモデルにおいて、神経因性疼痛によって引き起こされるうつ病および不安の(行動解析による)症状を軽減した。(参照論文 3)
マウスにおいて、フィセチンは、脳卒中後の炎症性応答を阻害し、虚血性脳卒中における脳組織損傷に対して脳組織を保護する。(参照論文 4)
マウスにおいて、フィセチンは、モノアミンオキシダーゼ(MAO)活性を阻害することにより、前頭皮質および海馬におけるセロトニンおよびノルアドレナリンレベルを上昇させる。(参照論文 5)
2)フィセチンは老化を防ぐ。
フィセチンは、正常細胞に影響を与えずに、老化細胞を選択的に減少させるセノリティック(senolytic、老化細胞除去)活性を持っている。フィセチンは老化マウスの健康寿命と生存寿命を延長する。(参照論文 6)
フィセチンは、多くの天然ポリフェノールと同様にサーチュイン遺伝子(Sirt1)を活性化し、下等生物の寿命を延ばす。(参照論文 7)
3)フィセチンはがんを予防する。
フィセチンは、肺がん、結腸がん、前立腺がん、膵臓がん、およびメラノーマに対して有効な可能性がある。(参照論文 8)
フィセチンは、腫瘍細胞の増殖を阻害し、アポトーシスを誘導する。生体内ではその低い溶解性と低いバイオアベイラビリティにより効果が薄まるため、フィセチンの臨床的価値を決定するためにさらなる研究が必要である。(参照論文 9)
4)フィセチンは抗酸化作用を持つ。
フィセチンは、化学的構造的に高い抗酸化特性を持っている。(参照論文 10)
フィセチンは、リン脂質の極性頭部と疎水性尾部との間に強く結合し、フィセチン分子の抗酸化活性の反応部位として機能し、脂質過酸化を阻害する。(参照論文 11)
フィセチンは、直接の抗酸化活性を有するばかりでなく、主要な細胞内抗酸化物質であるグルタチオンの細胞内レベルも上昇させる。フィセチンはまた、酸化的ストレスの存在下でミトコンドリア機能をより良く維持させることができる。(参照論文 12)
5)フィセチンは炎症を抑える。
フィセチンは、LPS刺激マクロファージ細胞におけるJNKおよびNF-κBの不活性化を介して抗炎症活性を発揮する。(参照論文 13)
フィセチンは、好塩基球によるTH2型サイトカイン(IL-4、IL-13、およびIL-5)の発現を抑制する。(参照論文 14)
6)フィセチンは肌に良い。
ヒト皮膚線維芽細胞において、フィセチンは、紫外線B(UVB)照射によって誘導されるシクロオキシゲナーゼ-2(COX-2)およびマトリックスメタロプロテアーゼ(MMP)-1、MMP-3、MMP-9の発現を阻害する。さらに、フィセチンはUVBによって誘発されるコラーゲンの分解を抑制した。(参照論文 15)
ヒト表皮角化細胞において、フィセチンは過酸化水素で処理した細胞の生存率を用量依存的に高め、活性酸素(ROS)を減少させた。フィセチンはまた、TNF-αで処理したHaCaT細胞におけるNO、PGE2 IL-1β、IL-6、iNOSおよびCOX-2の発現、およびNF-κBの活性化を阻害した。(参照論文 16)
注意フィセチンの副作用
バイオフラボノイドは、成人における癌の予防および乳児における特定のタイプの白血病の発生に関連する。これらの化合物は広範囲の細胞活性を有するが、それらの遺伝毒性作用の多くはトポイソメラーゼII毒としての作用に起因する。(参照論文 17)
フィセチンサプリ購入
- 参照論文1 : Neuroprotective Effects of Fisetin in Alzheimer's and Parkinson's Diseases: From Chemistry to Medicine. (2016年)
- 参照論文2 : Flavonoid fisetin promotes ERK-dependent long-term potentiation and enhances memory. (2006年)
- 参照論文3 : Fisetin exerts antihyperalgesic effect in a mouse model of neuropathic pain: engagement of spinal serotonergic system (2015年)
- 参照論文4 : The flavonoid fisetin attenuates postischemic immune cell infiltration, activation and infarct size after transient cerebral middle artery occlusion in mice (2012年)
- 参照論文5 : The antidepressant-like effect of fisetin involves the serotonergic and noradrenergic system. (2012年)
- 参照論文6 : Fisetin is a senotherapeutic that extends health and lifespan (2018年)
- 参照論文7 : Biochemical Effects of SIRT1 Activators (2010年)
- 参照論文8 : Fisetin: A Dietary Antioxidant for Health Promotion (2013年)
- 参照論文9 : Anti-cancer effects of fisetin on mammary carcinoma cells via regulation of the PI3K/Akt/mTOR pathway: In vitro and in vivo studies (2018年)
- 参照論文10 : Electrochemical and density functional theory study on the reactivity of fisetin and its radicals: implications on in vitro antioxidant activity. (2009年)
- 参照論文11 : Investigations on the binding and antioxidant properties of the plant flavonoid fisetin in model biomembranes. (2004年)
- 参照論文12 : Modulation of multiple pathways involved in the maintenance of neuronal function during aging by fisetin. (2009年)
- 参照論文13 : Inhibition of c-Jun N-terminal kinase and nuclear factor κ B pathways mediates fisetin-exerted anti-inflammatory activity in lipopolysccharide-treated RAW264.7 cells. (2012年)
- 参照論文14 : Fisetin, a flavonol, inhibits TH2-type cytokine production by activated human basophils. (2003年)
- 参照論文15 : Fisetin Ameliorated Photodamage by Suppressing the Mitogen-Activated Protein Kinase/Matrix Metalloproteinase Pathway and Nuclear Factor-κB Pathways. (2015年)
- 参照論文16 : Fisetin inhibits TNF-α-induced inflammatory action and hydrogen peroxide-induced oxidative damage in human keratinocyte HaCaT cells through PI3K/AKT/Nrf-2-mediated heme oxygenase-1 expression. (2015年)
- 参照論文17 : Bioflavonoids as Poisons of Human Topoisomerase IIα and IIβ (2007年)